硝子の挿話
第9章 滄海
見張ってしまう癖。周囲に気を限界まで研ぎ澄ませて、この場に家族や親しい大人以外が入ってこないように願う。
「ちょっと沖に行ってきまーす!」
言いながら既に遠くになってしまっている影。
無邪気すぎて、警戒心がまるでない姿はとても愛らしいと思うのだが、ティアの両親もこの無鉄砲で無邪気な少女の行く末に額を押さえていた。
「直ぐに戻ってきなよ!」
もう、声も聞こえないだろうけど。…サイティアは溜息をついて、ティアが飽きて戻ってくるのを待つ。一度キュルの背中に乗って、二度と乗りたくないと真剣に思ったことがあり、此処で待つばかりだ。
ティアの能力は未知数で、家族の誰も持っていない力は、理解を示すにも不十分なのだが。
ティアはそういう一切を気にかけておらず本当に奔放な童女時代を過ごしていた。
朝は早くから海に出て、昼ご飯を食べるのも、海の側で食べて、陽が沈むまで夕焼けを見ている。それか幼馴染のタルマーノを連れましたり、鍛錬ごっこという名前で、サイティアやタルマーノを相手に玩具の剣を振り回していた。
朝を迎えたその時の気分でティアは毎日を決めている。
一言で言えば、大らかなのだが一歩間違うと大雑把な性格だ。とてもではないが、この時点のティアは水姫神子になるのだという感覚もなければ、海に愛されている事実をありのままにだけ受け止めていた。
「ちょっと沖に行ってきまーす!」
言いながら既に遠くになってしまっている影。
無邪気すぎて、警戒心がまるでない姿はとても愛らしいと思うのだが、ティアの両親もこの無鉄砲で無邪気な少女の行く末に額を押さえていた。
「直ぐに戻ってきなよ!」
もう、声も聞こえないだろうけど。…サイティアは溜息をついて、ティアが飽きて戻ってくるのを待つ。一度キュルの背中に乗って、二度と乗りたくないと真剣に思ったことがあり、此処で待つばかりだ。
ティアの能力は未知数で、家族の誰も持っていない力は、理解を示すにも不十分なのだが。
ティアはそういう一切を気にかけておらず本当に奔放な童女時代を過ごしていた。
朝は早くから海に出て、昼ご飯を食べるのも、海の側で食べて、陽が沈むまで夕焼けを見ている。それか幼馴染のタルマーノを連れましたり、鍛錬ごっこという名前で、サイティアやタルマーノを相手に玩具の剣を振り回していた。
朝を迎えたその時の気分でティアは毎日を決めている。
一言で言えば、大らかなのだが一歩間違うと大雑把な性格だ。とてもではないが、この時点のティアは水姫神子になるのだという感覚もなければ、海に愛されている事実をありのままにだけ受け止めていた。