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硝子の挿話

第10章 交錯

 それは人間に限ったことではない。生きるものはその向上心故に求めてしまう。しかし人間は他の生き物にはない武器を携えることが出来る。多くを滅ぼしてしまえる知恵がある。たったひとつの『火』が生み出した結末から、まだ千年ぐらしか経っていない。





 空白に途切れた二百年の歳月。千年前にあった火が生み出したものは、水耀宮内で最古の書にも記されていない。

「同じ過ちを犯してはならない…です」

 見つけたのはサミアであり、最古の神殿である太陽宮の奥深くに封印されし、闇の書。表紙には『ローラ』と記されていた。
 恐竜との生存争いに勝利するために作られた武器の名前は『ティア』。アトランティスには『輝く』という意味がある。
 その同じ言葉を名前に持つのなら、この世界を少しでも輝けるように尽力したい。
「どうすれば国は潤うのだろう…」
 豊富な資源と、豊富な土壌。
 同じ税を取るのであれば、経済を向上させることを考えなければならない。
 水耀宮で現在試していることを、いつか全体に出来るように世界を広げること。そして同じように、広げるなら自然との共存は辞めてはならない。

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