硝子の挿話
第12章 眷恋
言いかけるも尻すぼみに消えていく。ユウリヤは反応が楽しくて仕方ない。それがティアにも分かるので、反撃を狙っているのかじっとユウリヤを見ている。
「当たり、だろ?」
可笑しいのに可愛い、そんな感情が芽生えるなんて奇跡だ。
ユウリヤはティアが落とした献立項目板を手にして、洩れる笑いを噛み殺せない。
「あぅううぅ…」
「あう、じゃ分からん」
くくっと喉を鳴らして笑うユウリヤを、んきっと睨むのだが真っ赤になっているから迫力は皆無だ。
「はいはい、とりあえず何にするんだ?」
献立項目をティアの前に置く。
「はい、は一回でいいのです………」
真っ赤になって下を向いて、献立項目を真剣に見出す。ぶつぶつと文句はいうが、ユウリヤはどこ吹く風だとばかりに笑っていた。
「んぅ、やっぱり野菜ですか?」
「ですかって…」
「それともココナッツ…!どっちにしましょう」
「欲しいなら両方頼めば?」
「それは無理なのです!そんなに食べれません」
きっぱりと断言すると、ティアは下へ視線を下げていく。果物と野菜を豊富に使った料理を見つけた。
「これにします」
色々な献立が並んだ板を見ているだけで楽しい。
普通の生活からは程遠い世界に身を置くティアは、こうして誰かと向かい合わせに座ることが、家族や前司祭を失って以来だと喜んだ。
本当に嬉しそうに笑うから、ユウリヤもつられて笑みを深めた。
「当たり、だろ?」
可笑しいのに可愛い、そんな感情が芽生えるなんて奇跡だ。
ユウリヤはティアが落とした献立項目板を手にして、洩れる笑いを噛み殺せない。
「あぅううぅ…」
「あう、じゃ分からん」
くくっと喉を鳴らして笑うユウリヤを、んきっと睨むのだが真っ赤になっているから迫力は皆無だ。
「はいはい、とりあえず何にするんだ?」
献立項目をティアの前に置く。
「はい、は一回でいいのです………」
真っ赤になって下を向いて、献立項目を真剣に見出す。ぶつぶつと文句はいうが、ユウリヤはどこ吹く風だとばかりに笑っていた。
「んぅ、やっぱり野菜ですか?」
「ですかって…」
「それともココナッツ…!どっちにしましょう」
「欲しいなら両方頼めば?」
「それは無理なのです!そんなに食べれません」
きっぱりと断言すると、ティアは下へ視線を下げていく。果物と野菜を豊富に使った料理を見つけた。
「これにします」
色々な献立が並んだ板を見ているだけで楽しい。
普通の生活からは程遠い世界に身を置くティアは、こうして誰かと向かい合わせに座ることが、家族や前司祭を失って以来だと喜んだ。
本当に嬉しそうに笑うから、ユウリヤもつられて笑みを深めた。