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　帰りも同じように手を繋ぐ。
　二人の距離を埋めたいのは、ティアなのかユウリヤなのかも空気は溶かして薄れていった。
「今度来るときは、楽器を持ってくる」
「本当ですか!?とても…とても嬉しいです!!」
　もう片手でユウリヤの腕に抱きついて甘えるティアを、ユウリヤは愛しそうに、風で翻った髪の間から見えた額に接吻をもう一度した。
　途端に真っ赤になってしまうティア。一番愛しいと、可愛いと思ってしまうのはこの表情だと知る。真っ直ぐに繋がる意図は、寒さが広がっていた心に安心感を与えた。
「だから、今度来るときはティアの膝枕で寝たい」
　覗き込んで笑いかけると、真っ赤になったまま。持っていた手を自分の頬に当てて、俯きながらもこくこくと首を縦に振ってくれた。

「じゃ、それも約束ということで…いいよな？」





　赤くなったまま照れ笑いを見せる。ユウリヤは片手で抱き込み、耳元に唇を寄せたまま囁く。
「俺もだ…」
　甘く優しい響きを持つ声。ティアは、ただ翻弄されっぱなしの自分を知るのだ。