硝子の挿話
第13章 約束
全ての鬱積を晴らそうと、また切なく遣る瀬無い―――そういう負を抱えて、奏でいたのだと知る。それならばティアとの出会いは、仕組まれていた運命だったのかもと思えた。
「少し、お待ち下さい」
「あ!はい!!」
音に包まれて、ぼんやりとしていたティアの前で、サイバスの腰帯に結ばれた小さな水晶が、鈍い蒼を放ち点滅していた。
立ち上がり表の扉を開けて出て行くサイバスを見送り、ティアは音が聞こえる色硝子の窓へ。
「こっちからですよね…」
そっと覗くと、側の木に凭れかかり、楽を奏でるユウリヤの姿が見えた。
周囲に子供達が集うように、輪を築いている。目を閉じている子供、はしゃいで、音に合わせて踊っている子供。それを見守る親だろうと思われる大人達に囲まれている姿。ティアは頬が無意識に緩むのを感じた。
「私と出会えて良かったですか?…」
本人には聞きたくても、聞けないティアの独り言。ティアはユウリヤと出会えて良かったと心の奥底から思っていた。
「私はとても幸せ、なのです…」
愛する人々に囲まれ、他愛無い話をしたり、泣いたり、笑ったりを繰り返す。同じ繰り返しであってもそれは尊い一瞬一瞬の記憶だった。
「少し、お待ち下さい」
「あ!はい!!」
音に包まれて、ぼんやりとしていたティアの前で、サイバスの腰帯に結ばれた小さな水晶が、鈍い蒼を放ち点滅していた。
立ち上がり表の扉を開けて出て行くサイバスを見送り、ティアは音が聞こえる色硝子の窓へ。
「こっちからですよね…」
そっと覗くと、側の木に凭れかかり、楽を奏でるユウリヤの姿が見えた。
周囲に子供達が集うように、輪を築いている。目を閉じている子供、はしゃいで、音に合わせて踊っている子供。それを見守る親だろうと思われる大人達に囲まれている姿。ティアは頬が無意識に緩むのを感じた。
「私と出会えて良かったですか?…」
本人には聞きたくても、聞けないティアの独り言。ティアはユウリヤと出会えて良かったと心の奥底から思っていた。
「私はとても幸せ、なのです…」
愛する人々に囲まれ、他愛無い話をしたり、泣いたり、笑ったりを繰り返す。同じ繰り返しであってもそれは尊い一瞬一瞬の記憶だった。