硝子の挿話
第14章 明言
「………自然との共存が出来る世界を創りたい」
火を見つけてから人の進化は、加速を上げて続けていく。
そして自然を平らげて、富の為に壊される。彼らの悲鳴を受け止めることが出来るのは、ティアただひとりだと言うのであれば、地球に見放される前に、世界を優しい姿に変えなければならない。
かつてこの大地に根を下ろし、始祖の御霊(みたま)に報いる為に。空白に途切れて、消えた時間の中に、隠れた歴史と同じ結末を選ばないように。導くのがティアの仕事だと言い聞かせる。もうすぐ開始の銅鑼が鳴り響く。
「ひとりじゃない…」
ひとりでなんて、立ち向かえる筈がないから、長い間を無駄に過ごしてきた。
その分を取り返して、悪化を続けて傾いていく宮を守る。その為に星見に選ばれたのだと、―――信じたい。
「私はリリティア、…この宮の象徴であり、世界の代弁者………」
青銅鏡をもう一度、自分の方向へ向けて見つめる。そして小さく笑ってみた。
辛いとき、悲しいとき、泣くだけなら赤子の方が上手だと『笑う』大切さを、何度も何度も分かるまで説いていた前司祭の影。
火を見つけてから人の進化は、加速を上げて続けていく。
そして自然を平らげて、富の為に壊される。彼らの悲鳴を受け止めることが出来るのは、ティアただひとりだと言うのであれば、地球に見放される前に、世界を優しい姿に変えなければならない。
かつてこの大地に根を下ろし、始祖の御霊(みたま)に報いる為に。空白に途切れて、消えた時間の中に、隠れた歴史と同じ結末を選ばないように。導くのがティアの仕事だと言い聞かせる。もうすぐ開始の銅鑼が鳴り響く。
「ひとりじゃない…」
ひとりでなんて、立ち向かえる筈がないから、長い間を無駄に過ごしてきた。
その分を取り返して、悪化を続けて傾いていく宮を守る。その為に星見に選ばれたのだと、―――信じたい。
「私はリリティア、…この宮の象徴であり、世界の代弁者………」
青銅鏡をもう一度、自分の方向へ向けて見つめる。そして小さく笑ってみた。
辛いとき、悲しいとき、泣くだけなら赤子の方が上手だと『笑う』大切さを、何度も何度も分かるまで説いていた前司祭の影。