硝子の挿話
第14章 明言
「一番許せないのは、貴方と出会うことで税が発生することです!貴方と会った為に、金を払わなければならない―――何の為に、ですか?」
水耀宮から流される情報を、伝える放送機関がある。一方的に送信している意味は、大事があったときに、素早く誰もが動けるようにする為である。
「それを付けている住人を毎月、税の対象にする理由も語って欲しいのですが、それは今はよろしいです」
後でじっくりと聞きます。そう向けた視線を最後に、彼を見ない。ずらりと並ぶ重鎮らをティアはゆっくりと見渡した。
「貴方の土地は、私が一時預かり致します」
冷徹な楔を打ち込む音。板を持ったまま、呆然としている所へタルマーノが近づくと、でっぷりと太った男は豹変する。どこに隠していたのか、短刀を抜くと戻ろうとしていたヒリッシュの腕を掴んだ。
「このまま投獄など、されてたまるか……っ!小娘、貴様さえ居なければ全て良かったのだよ」
片手を広げて、背後に募る重鎮を横目に見る。狂気じみた眼差しは興奮していた。
「今こそ、貴様を始末してくれる!わしは一人ではないぞ、此処にいる過半数はわしを支持しておるわ!!」
確かにあの静まり返られなかった様子を見ても、それは真実だろう。しかし聞き捨てならない台詞にティアは立ち上がった。
「『今こそ』、『始末』とはどういう意味ですか?」
にっこりと、見た目の柔らかさや穏やかに反して、ティアの運動能力は高い。周囲のどよめきの中、ティアはつかつかと狂人の方へ歩いていく。
「リリティア様!?」
「その手を離しなさい…貴方が傷つけたいのは、ヒリッシュではなく『私』なのでしょう」
水耀宮から流される情報を、伝える放送機関がある。一方的に送信している意味は、大事があったときに、素早く誰もが動けるようにする為である。
「それを付けている住人を毎月、税の対象にする理由も語って欲しいのですが、それは今はよろしいです」
後でじっくりと聞きます。そう向けた視線を最後に、彼を見ない。ずらりと並ぶ重鎮らをティアはゆっくりと見渡した。
「貴方の土地は、私が一時預かり致します」
冷徹な楔を打ち込む音。板を持ったまま、呆然としている所へタルマーノが近づくと、でっぷりと太った男は豹変する。どこに隠していたのか、短刀を抜くと戻ろうとしていたヒリッシュの腕を掴んだ。
「このまま投獄など、されてたまるか……っ!小娘、貴様さえ居なければ全て良かったのだよ」
片手を広げて、背後に募る重鎮を横目に見る。狂気じみた眼差しは興奮していた。
「今こそ、貴様を始末してくれる!わしは一人ではないぞ、此処にいる過半数はわしを支持しておるわ!!」
確かにあの静まり返られなかった様子を見ても、それは真実だろう。しかし聞き捨てならない台詞にティアは立ち上がった。
「『今こそ』、『始末』とはどういう意味ですか?」
にっこりと、見た目の柔らかさや穏やかに反して、ティアの運動能力は高い。周囲のどよめきの中、ティアはつかつかと狂人の方へ歩いていく。
「リリティア様!?」
「その手を離しなさい…貴方が傷つけたいのは、ヒリッシュではなく『私』なのでしょう」