硝子の挿話
第14章 明言
もう二度と、見ている目の前で誰も失わない。後悔が残像のように脳裏に刻み込まれていた。
「この手で殺してくれるわっ!さすれば全て終わる!!もっとこっちに来い!!」
血走った目が、ティアを見るのを刺激しないように、一歩近づいた。
「気持ち悪いんだよ!この脂がっ!」
「ヒィ!?…うぐぅ…っ!」
潰れた声がする。ヒリッシュは男の腕を掴むと、刃を持つ手を裏返し、一本背負いで床に叩き付けた。
一連の動きに一切の無駄がない。何が起こったのか、ティアにも分からないでいると、そのまま泡を吹いている男の両腕を、結わえていた髪紐を解き、そのまま後ろに縛り付けた。
手を叩く音がして、振り返ると背後から現れたのはサイバス。投げるときに落とした刃物を、ヒリッシュが拾った。
「ティア様………どうぞ、ご自重下さい。そしてよくやったヒリッシュ」
「お怪我はないですか?」
二人がティアの周囲に来ると、ただ驚いているばかりでは居られない。素に戻りかけたのを、ヒリッシュの視線に引き戻された。
「…呆けている暇はないかと思うのですが?」
うっすらと笑みを刻む。状況を楽しんでいるように見えた。
ティアは苦笑していいのか迷ってしまう。
「そうですね、後でヒリッシュにも話があります」
「この手で殺してくれるわっ!さすれば全て終わる!!もっとこっちに来い!!」
血走った目が、ティアを見るのを刺激しないように、一歩近づいた。
「気持ち悪いんだよ!この脂がっ!」
「ヒィ!?…うぐぅ…っ!」
潰れた声がする。ヒリッシュは男の腕を掴むと、刃を持つ手を裏返し、一本背負いで床に叩き付けた。
一連の動きに一切の無駄がない。何が起こったのか、ティアにも分からないでいると、そのまま泡を吹いている男の両腕を、結わえていた髪紐を解き、そのまま後ろに縛り付けた。
手を叩く音がして、振り返ると背後から現れたのはサイバス。投げるときに落とした刃物を、ヒリッシュが拾った。
「ティア様………どうぞ、ご自重下さい。そしてよくやったヒリッシュ」
「お怪我はないですか?」
二人がティアの周囲に来ると、ただ驚いているばかりでは居られない。素に戻りかけたのを、ヒリッシュの視線に引き戻された。
「…呆けている暇はないかと思うのですが?」
うっすらと笑みを刻む。状況を楽しんでいるように見えた。
ティアは苦笑していいのか迷ってしまう。
「そうですね、後でヒリッシュにも話があります」