硝子の挿話
第14章 明言
「あ…本当にすみません」
突然来ることはままあったので、大丈夫だと思って来てしまったとハクレイは反省するが、ティアが赤くなったのは、一瞬思い出す場面があったからに他ならない。
「あ!いえ、違うのですよ!そうではないのです!!いつ訪れて下さっても嬉しいですよ!」
必死であわあわと言い募るティアの横で影が動く。ハクレイの後ろから一歩前に出た相手。
「初めてお目に掛かります。セツレイです。お見知りおき下さい」
片膝をつくと、ティアの手の甲へ額を寄せる。それは王宮の礼儀だったと記憶していた。
「お話はハクレイ様より伺っております。…自由都市の王に来て頂けて光栄です」
確か記憶にある王国礼儀を脳裏に描き、確か―――と辿ると、笑みを深め小首を少し傾げ、裾の長い衣を左に持つと半歩後ろに下がりながら頭を下げた。
「よく、ご存知ですね…」
「きちんと出来たかは分からないのですが、遠路遥遥と本当にありがとうございます、当水耀宮筆頭姫神子をしておりますリリティアです」
「以前、貴女を一度拝見してますが………とても表情が明るくなったと思いますよ」
「っぇ!…そ、そうなのですか?あの、それはとても…光栄です………」
尻すぼみに言葉が落ちると黙り込んでしまう。恥かしくて顔を上げる瞬間を逃してしまった。
「姫神子というお立場に居られないなら、求婚したいほど愛らしいですね」
突然来ることはままあったので、大丈夫だと思って来てしまったとハクレイは反省するが、ティアが赤くなったのは、一瞬思い出す場面があったからに他ならない。
「あ!いえ、違うのですよ!そうではないのです!!いつ訪れて下さっても嬉しいですよ!」
必死であわあわと言い募るティアの横で影が動く。ハクレイの後ろから一歩前に出た相手。
「初めてお目に掛かります。セツレイです。お見知りおき下さい」
片膝をつくと、ティアの手の甲へ額を寄せる。それは王宮の礼儀だったと記憶していた。
「お話はハクレイ様より伺っております。…自由都市の王に来て頂けて光栄です」
確か記憶にある王国礼儀を脳裏に描き、確か―――と辿ると、笑みを深め小首を少し傾げ、裾の長い衣を左に持つと半歩後ろに下がりながら頭を下げた。
「よく、ご存知ですね…」
「きちんと出来たかは分からないのですが、遠路遥遥と本当にありがとうございます、当水耀宮筆頭姫神子をしておりますリリティアです」
「以前、貴女を一度拝見してますが………とても表情が明るくなったと思いますよ」
「っぇ!…そ、そうなのですか?あの、それはとても…光栄です………」
尻すぼみに言葉が落ちると黙り込んでしまう。恥かしくて顔を上げる瞬間を逃してしまった。
「姫神子というお立場に居られないなら、求婚したいほど愛らしいですね」