硝子の挿話
第17章 漆黒
「窓ガラス叩き割って!!」
色紙を貼っているオリハルコンを織り込まれている。強固さを誇る窓を指して、サミアが叫ぶ。お腹を押さえることで、少しでも衝動から我が子を守ろうとする母性を前に、ティアは出せる大声で叫んだ。
「水耀宮霊峰まで、走りなさい!!!」
轟音と悲鳴に掻き消される声。だから一番短く、耳に届ける為に『霊峰へ』と叫んだ。
表に待機していた兵士達も、霊峰を指すように指示を出していた。
盛り上がる床に、足を取られながら立ち上がる。
「私は大丈夫です!ユウリヤもお願いです!」
天井を見ながら窓を指して、ティアも叫んだ。即座に頷く間もなく、ユウリヤも窓を壊しに掛かる。―――こんな所で終われない。
恐怖と不安と背中に合わせにしがみつく生への執着。
窓へと向かうカラの代わりに、ティアがサミアの側に行く。破片が肌を傷つけるのに、痛みを感じる余裕もない。
オルハリコンの成分で出来ている窓は頑丈で、人数がどうしても足りない。
「ハクレイ!僕らも手伝おう」
色紙を貼っているオリハルコンを織り込まれている。強固さを誇る窓を指して、サミアが叫ぶ。お腹を押さえることで、少しでも衝動から我が子を守ろうとする母性を前に、ティアは出せる大声で叫んだ。
「水耀宮霊峰まで、走りなさい!!!」
轟音と悲鳴に掻き消される声。だから一番短く、耳に届ける為に『霊峰へ』と叫んだ。
表に待機していた兵士達も、霊峰を指すように指示を出していた。
盛り上がる床に、足を取られながら立ち上がる。
「私は大丈夫です!ユウリヤもお願いです!」
天井を見ながら窓を指して、ティアも叫んだ。即座に頷く間もなく、ユウリヤも窓を壊しに掛かる。―――こんな所で終われない。
恐怖と不安と背中に合わせにしがみつく生への執着。
窓へと向かうカラの代わりに、ティアがサミアの側に行く。破片が肌を傷つけるのに、痛みを感じる余裕もない。
オルハリコンの成分で出来ている窓は頑丈で、人数がどうしても足りない。
「ハクレイ!僕らも手伝おう」