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蜜の誘い

第9章 若菜と美月

「うん・・今日はひとりなの・・お母さん親戚の家に泊まってくるって言ってた・・」

美月の家は母子家庭・・
お父さんを病気で亡くしてもう5年が経つ。

「そういう事は早く言いなよ・・じゃあ夕飯はウチで、そのあとは美月の部屋にお泊まりってことで♪ね?」

「・・いいの?・・」

「あったりまえよ♪・・美月の部屋にお泊まりなんて久しぶり!」

私はひとり浮かれていた。

夕飯を済ませると、着替えだけ持って美月と急いで玄関へと向かっていた。

「それじゃあママぁ、行ってくるねぇ」

「ご馳走さまでしたぁ」

ふたりで美月の部屋へと急いだ。

小学生の頃はよく行き来していた。
中学生になると、ママと喧嘩すると決まって美月の部屋に逃げるように泊まっていた。

美月のお父さんが亡くなってから、美月の部屋に行く事が減った。

美月のお母さんが働き始め、疲れているだろうからと行く機会が減った・・

ほんと久しぶりの美月の部屋だった。

「変わらないね・・美月の部屋・・」

綺麗に片付いた女の子の部屋だった・・

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