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蜜の誘い

第9章 若菜と美月

「・・美月・・今のって・・」

ドキドキしながら美月に尋ねていた。

「み・・見ちゃった?・・」

枕に顔を伏せながら美月が振り絞るような声で囁いた。

「・・うん・・ごめん・・」

見てはいけない物を見てしまったようで、私は謝っていた。

「・・軽蔑・・してる?・・」

今にも泣き出しそうに声を震わせる美月がいた。

「そんな事ないよ・・ただ・・ただびっくりしただけ・・」

まだ胸がドキドキしている。
何に使うかは容易に想像できるが、美月のそんな姿は想像できなかった。

美月が突然身体を起こすと、顔をうつ向かせながら私の前に座った。

「・・お願い・・誰にも言わないで・・若菜ちゃんの言うこと何でもきくから・・お願い・・」

「い・・言わないよ・・ってか言っても誰も信じないよ・・」

「絶対だよ?・・絶対誰にも言わないでね?」

美月が私の手を握り、目に涙を溜めていた。

「大丈夫だよ・・私が美月の嫌がる事言うわけ無いじゃない・・」

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