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蜜の誘い

第16章 優香と美緒

夕食までには、まだかなりの時間がある。
ふたりきりの時間がたっぷりある。

普段も仕事で一緒に居るが、同棲している部屋以外ではイチャつく事はあまりしない。
というか、控えているといった方が正しいか…

以前よりは世の中的に理解されてはきたものの、同性同士が街中で熱く抱き合ったりキスしたりは、まだまだ認知してもらえない事を知っているし、あえて見せる必要などない事も理解しているからだ。

この休暇は、たっぷりとふたりだけの時間を過ごそうと思っている…それだけで十分だ。

部屋に戻るやいなや、美緒が抱きついてきた。

「優香さん…」

可愛い顔に、つい見惚れてしまう。

あの日…
美緒と出逢った時もそうだった…

……

美緒との出逢いは、行きつけのバーだった。

美緒に見惚れてしまった。

可愛いい顔立ち、そして美緒が発している雰囲気…
その場に居た大勢の人の中で、その不思議な感覚に気づいたのは、たぶん私だけ…

私は昔から女性が好きだった。
19の時に初めて女性と性的関係をもった。

柔らかな感触、繊細な愛撫…
肉体的な快感は勿論だが、何より精神的に満たされる充実感を知ってしまうと、ますます女性だけを好きになってしまうようになった。
もう女性以外と愛し合うことなんて事は考えられなくなった。

そんな私が感じた不思議な感覚…

あぁ…この子も女性同士での快感を知ってる…

惹かれ合う不思議な感覚を確かに感じたのだ。

後から知るのだが、美緒も私に同じような感覚を感じていたそうだ…

その日のうちに、私達は結ばれた。

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