テキストサイズ

蜜の誘い

第3章 詩織と真希

「いつも私が図書館に行くと視線をくれていたでしょ?・・・私、気づいてたのよ?」

「あの・・」

「私の事、気になっていたのでしょ?」

すべてお見通しのようでした。

優しく微笑みながら、真希さんの手が私の手を包み込んでいました。

「私もあなたの事が気になってたの・・ねぇ、今日仕事は何時まで?」

「1時頃だと思います・・」

「じゃあ、向かいの喫茶店で待っているから、終わったら逢いに来てくれる?・・この意味わかるわね?」

「はい・・」

お会計を済ませ、真希さんは店を出ていきました。

うそ・・どうしよう・・

混乱しつつも、想いを寄せる彼女からの誘いに喜んでいる私がいました。

お客さまの入りも潮時となり、ほどなくして閉店の時間となりました。

時計は12時30分を過ぎたところでした。

着替えを済ませ、シオンから詩織へと戻ります。
メガネはかけましたが、髪は束ねませんでした。

「お疲れさまでした」

期待に胸を踊らせ、真希さんの待つ喫茶店へと向かいました。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ