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あなたを三番目の男のままにすればよかった

第1章 私と彼の安寧な世界


茹で時間の合間に、缶のミートソースを皿に開け、レンジに入れて温める。

先にタイマーが鳴って、パスタをざるに落としてふたつの皿に移した。さほど待たずにレンジが鳴る。
そのミートソースをパスタにかけて、ふたつの皿を片手に持ち、フォークを二本とってリビングに戻った。

「あーい、お待たー」

ローテーブルに皿を置いて彼の横に座る。ありがとう、テレビを見たまま彼が言う。

「いただきます」

軽く手を合わせて丁寧に彼が言った。どうぞ、と言って、お茶ほしい、私は続けた。

仕方ないなあと彼が立ち上がって、グラスを一つと、緑茶の入った入れ物をもってくる。
グラスが一つでいいのは、一緒に飲むからだ。これは私たち2人の、ずぼらさからできた習慣。

「ありがとー」

あいよ、彼が答えた。
テレビの声とパスタを食べる音だけがする2DK。


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