あなたを三番目の男のままにすればよかった
第1章 私と彼の安寧な世界
このアルバイトが終わるのが午前2時。
二本の指名。一本場内指名。あとはヘルプまわり。
ぼちぼちだな、と自分はよくやったよ、と褒めて近くのビルに停めていた自転車で帰宅する。
誰も褒めてくれないのだ。私が私を可愛がってやるしかない。
セットしたままの髪型、派手な化粧、わりと華やかな私服は、自転車には不似合いで。
人がまばらにしかいない街。
街中から、自宅まで自転車で10分ほど。
いじましく、少し、遠回りを、する。
どうせ、私から彼が見えたって、彼に私は見えやせんけども。
同棲する恋人の勤めるダーツバー。街中、角のビルの二階。
そのビルのある向かいの通りから、私は自転車を停めて見上げる。
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