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あなたを三番目の男のままにすればよかった

第1章 私と彼の安寧な世界



仕事には余裕をもっていきたい。ただ、彼がもしかしたら帰ってくるかもしれない、ギリギリまでいたい。
その境界の間の時間に家を出る。

結局私が家を出る時間まで、彼は帰ってこないのだ。卑怯だ。ほんとに。

そりゃ元嫁も、勝手に幸せになってね!って言い捨てるわけだ。
ただ本当の彼の離婚の原因は、知らないけどさ。

自転車を漕ぎながら、いつなら彼に会えるのか考える。同じ家に住んでるはずなのに、まるで生きる世界が違っているように。

元々は私が夜で、彼が昼に生きていたのだ。それが4月から、私が昼メイン、彼が夜になった。

私が夜のままだったら、いくらでも彼に合わせたのに。だったら、だったら、と理想ばかりが浮かぶ。


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