あなたを三番目の男のままにすればよかった
第1章 私と彼の安寧な世界
終わってドレスから普段着に着替えながら、終わったよ、と彼に送った。
待つようにゆっくりお店を出てからも、返信はこなかった。
外のコンビニで少し立ち読みをしても、その間も返信はこない。
ああ、またか。会えないのか、また。
足を伸ばして、遠くないかれのお店の方へ行く。
街中にある、交差点角のビル。
向かい側の道路から、2階を見上げる。
まだ営業中を示す、青い明かりがついている。楽しそうにダーツをするような人影もいっぱいある。
顔がゆがむ。
嘘つき!
ぐっと胸が締め付けられる。なんだ終わらないじゃないか、一緒に帰ろうって言ったじゃないか。