あなたを三番目の男のままにすればよかった
第1章 私と彼の安寧な世界
「お!まじかー!」
肩を抱かれて、彼について行く。
私もよく知った、彼の飲み仲間が私を迎えてくれる。お酒のペースも早い。
ほどよく酔って、その頃にやっと、拓也くんから、彼氏から、連絡がきた。
ゆり?
それだけ。その、一文。
騒がしい店内。その中でそれを見つめている間に、立て続けに彼からメッセージがくる。
終わったよ!どこにいる?
なんて憎たらしい。あなたの、知らないところよ!
鈴木さんが私の肩にもたれかかってきて、私は笑う。
スマートフォンの画面を暗くして、ポケットにしまう。
もうあなたなんか、知らない!