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あなたを三番目の男のままにすればよかった

第1章 私と彼の安寧な世界


やったー!と台所に立ち上がる彼の背中に言って、出番の少ない40インチのテレビを着ける。

「ねー、水どんくらーい?」

昼過ぎのバラエティ番組。

「浸ればいいんじゃなーい?」

鍋に水を入れる音がして、しばらくしてガスが着いた音もする。
ペタペタと裸足がフローリングを踏む音が数歩。彼がリビングに戻ってきた。

「どれぐらいで熱くなるー?」

「うーん、しばらく」

どちらともなく寄り掛かりあって、テレビを流し見る。

「仕事昨日はどうだった?」

毎日聞くようにしてる、習慣のように波のない質問。


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