ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第9章 二人だけの卒業旅行
圭太side
旅館に着いたのは、夕食までには少し早いぐらいの時間で、
それまでに、旅館の仲居の勧めに従い、自慢の源泉かけ流しのお風呂に入ってくることにした。
「先、入ってきたら?」
スマホをちらつかせながら千陽さんに風呂を勧めた。
千「じゃあ…お先に。」
襖が閉められたことを確認してから俺は慎之介に電話をかけた。
慎『は?別々に風呂に入ってんの?』
バカだな〜お前?と、揶揄られたけど、笑って返せるだけの余裕がなかった。
慎『せっかくお風呂でイチャイチャできるチャンスだったのによ?』
「バカやろ。人がいたらどうすんだって!?」
慎『んも〜見せつけてやったらいいじゃないですかぁ〜♪』
「お前な…。」
慎『圭太。』
「ん?」
慎『取り敢えず、おめでと。』
「…うん。」
慎『ガンバれよ?』
「お前に言われるまでもねぇよ?」
慎『あらそう?』
「お前最近、ちょこちょこオネェが出るな?」
慎『何よ!?あなたのせいでしょ?そんなことより、ワタシが言ったもの、ちゃんと準備したでしょうね?』
「当たり前だろが?」