
ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第10章 分かれ道
口一杯になんとも言えない苦味が広がる。
でも、迷うことなく喉奥にごくりと押しやり口元を拭った。
はあはあと、肩で息する首筋を流れ落ちる汗に手を伸ばし指先で掬いとる。
驚いて見下ろす圭太の目。
熱をたっぷりと含んで潤んだ目。
堪らずに、腕を伸ばし、荒い呼吸を繰り返している唇にキスをした。
圭「千陽さ……んっ!!」
僕の名を呼ぼうと開きかけた唇の隙間から舌を差し込み、圭太の咥内を犯す。
内側の粘膜を余すことなく嬲り、唾液を搾り取るように舌を絡めてじゅるっと吸い上げた。
圭「千陽さん…。」
「圭太が欲しい…。」
はしたなく疼く体をどうにかしてほしい。
膝の上に跨がり胸に頬を擦り寄せ懇願する。
僕のフェラでイッたばかりにも関わらず、まだ、物欲しそうに上向いたままの圭太のモノを指先で弾いてやると、圭太は低くて艶のある声で啼いた。
「…欲しい。圭太のこれ。」
圭「え……?」
「挿れて?」
すっかり箍が外れてしまった僕の欲望は止まらない。
止まらないどころか、豹変してしまった僕に戸惑っているだけのその大きな体を遂には押し倒してしまった。
「勝手に挿れるよ?」
僕は混乱したままの圭太の屹立の上に腰を落とした。
