
ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第10章 分かれ道
「何だよ!?どっちなんだよ!?」
千「やっぱやめた。教えない。」
「あ…そ。んじゃ、やっぱり…」
千「え…あ…やだ…っ!」
布団を捲りあげ千陽さんを組み敷き、その上から覆い被さるように、そっと抱きしめた。
千「圭太?」
「やっぱ、止めた。」
体を離して、上から彼を見下ろす。
「ヤりすぎて、壊れちゃっても困るし。」
ちょっとホッとしたような、ガッカリしたような顔で見上げられる。
「もしかして、ヤりたかった、とか?」
千「ち、違っ…!」
両手のひらでそっと包み込むようにして、逸らした顔を此方に向けさせ、呆けたように俺を見つめているだけの顔にキスをした。
「今日はもうこれで許してあげる。」
でも、やっぱり、顔見てるとダメで、
込み上げてくるものを無理矢理カラダの中に押し込むみたいに、
彼の体を腕の中に収めた。
「寝よっか?」
千「…うん。」
彼にとっては初めて尽くしの夜。
緊張し過ぎて疲れてたんだろう。
程なく、すうすうと気持ち良さそうな寝息が肌を擽る。
そして、そのあまりの心地よさに、反応してしまう俺のムスコ。
それを悟られないよう、彼の体から腕を離し背を向けた。
が…
千「う…ん…」
ガッチリと、背中からしがみつかれてしまう。
しかも…
千「もう…圭太のエッチ…」
「・・・・」
あなたのおっしゃる通りです。
眠っているあなたにまで反応する俺は、ただのヤりたいざかりのスケベな野郎です。
