
ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第11章 もう一つの恋
旅行から帰ってきてからの二人は、人前では一応人目を気にするものの、
ひと度人気のない場所に差し掛かったりすると、俺の存在を空気かなんかだと思ってるのか、急にベタベタし始める。
特に圭太のヤツが、千陽先生の体を必要以上に触りまくる。
千陽センセは一応、俺のことは気にかけてくれていて、圭太のバカをたしなめてくれるけど、時おりヤらしい声を出したりするから満更でもないんだろう。
あ、俺が何で千陽さんを先生、って呼んでんのか、つーと、
俺の弟の京四郎が通う学校で先生をやってるから。
ま、その話はおいおい…。
で、そのまま二人のイチャつきぶりを黙認していると、その行為はさらにエスカレートし、
とうとう俺の見ている前でキスし始めた。
千「ちょ…や…み…られて…ぅんっ…」
とても本気で嫌がってる風には見えない千陽センセのエロい声。
でも、ふとしたことで俺の視線に気づき、圭太の胸を力一杯押し戻し、俺をチラと見た。
千「…見られてる。」
真っ赤な顔で俯く千陽センセ。
圭「あれ、慎之介、お前いたの?」
はあ!?
圭「気配がないから、てっきり空気読んで消えたのかと思った。」
はあああっ!?
忍者か?俺は?
