
ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第11章 もう一つの恋
「なあ、凛々子。」
凛「ん?」
「お前、もう圭太とエッチしたの?」
いきなり頭上に振り下ろされるスクールバッグ
「…ってぇなぁ。手加減しろ、って?」
凛「アンタがヤらしいこと聞いてくるからでしょ?」
素早く背を向けた凛々子の、ゆらゆら揺れるポニーテールから赤くて小さな耳が見え隠れしていた。
「あっ!!お前、耳まで赤いじゃん?さては…」
前に回り込んで顔を覗き込むと、
凛々子は真っ赤な顔をプイと反らした。
「そっかあ…ヤったのかあ…いでっ!!」
凛「もうっ!そんな大声で恥ずかしい!!まだヤってない、てば!」
あ、と、口を開いたままの凛々子と目が合う。
凛「あっ…!!だ、だからその…」
「ふ、ふーん、まだ…なんだ?」
何だかホッとしたようなそうでないような…。
二人が本格的に付き合いだしたのは圭太が野球をやめた辺りから。
小学校高学年の時、試合の応援に来ていた凛々子に圭太が一目惚れし、俺が二人の仲をとりもった。
早足で歩いていく凛々子を目で追いかけていると、
いきなり後ろから羽交い締めにされた。
圭「おはよう慎之介くん。俺がいないことをいいことに、他人の彼女とイチャイチャする、ってのはどういう了見だい?」
