ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第12章 薔薇を纏った悪魔
「う……ぁ」
快感を積み重ねた体は、少しの刺激でも意図も簡単に爆ぜ、下着をまた汚す。
「ち…千陽さ…」
少しずつ近づいてくる彼の顔が、額から流れ落ちる汗が目に入ったせいでボヤけた。
そんな朧気な視界の中で、彼は妖艶に微笑みながら頬を伝う雫を親指で拭ってくれる。
憐れみを含んだチョコレートブラウンの瞳がしばらく俺を見ていたが、やがて寂しそうに笑いながら視線を逸らす。
え……?
何を思ったか、俺の下着を乱暴に引き摺り下ろし、俺のモノを露にさせた。
あろうことか遮るものがなくなり晒された俺の屹立の上に、ゆっくり腰を落としてゆく彼の姿に驚愕する。
千「ぅうっ…ぁ…ああっ…」
美しい容貌からは想像もつかない低い呻き声。
でも、聞こえてくるのは互いの凹凸を無理矢理嵌め込むまでの間。
それらがピタリと合わさると、後は体の奥に押し込めた雄の本能を掻き立てるような甘い声音に変わる。
千「あっ…ん…いい…スッゴく…」
ヤバい…気持ちいい。
ゆっくりと、俺を味わうように動く腰。
千「んっ……っん…そこ…いい…もっ……と……。」
ヌチャヌチャと繋がった場所から聞こえる互いの体液が混ざり合う音に、頭がくらくらする。
だ…だめだ。イキそう…
「千陽さん…俺…」
この俺が、こんな受身なセックスでイキそうになるなんて…
泣く泣く主導権を譲り渡さざるを得なかった上に、イカせて下さい、なんて…
でももう…