
ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第14章 迷宮の中で
「普通、逆じゃない?」
圭「そうだけどさ?」
嬉しそうに眺める僕の手をまた引き寄せる。
圭「卒業したら一緒に暮らそう?」
「え…」
「付き合い始めてからずっと考えてたんだ。このプレゼントは俺から絶対に逃げないようにするためのものだから。」
「そんなことしなくたって逃げないよ?」
圭「どうかなぁ?千陽さんぐらいの美人なら言い寄ってくる金持ちのジジイの一人や二人、いそうだし?」
「何それ?まるで僕がおじいちゃん以外にはモテないみたいな言い方?」
圭「この間見たんだ、って。千陽さんのことエロい目で見ていたジジイを。」
「はいはい。気を付けるよ?」
とか言って笑って返したけど、むしろ逆に僕がこの鎖を君に着けてあげたい。
君が、僕の前からいなくならないように。
圭「幸い、京四郎から聞いた話じゃあ、学校には俺の千陽さんに手を出そうとするバカはいないみたいだし?」
「は?何それ?」
圭「京四郎のヤツに逐一報告してもらってんだ。千陽さんに変なヤツがつきまとっていないか、って?」
