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ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜

第2章 マドンナ・ブルー ①



それから数日、僕は大学で出された課題を期日までに仕上げなければならなくなってアルバイトを休んでいた。



その休み明け、



先輩女性店員が僕の姿を見るなり僕に聞いてきた。



自分の身の回りで、何か変わったことが起きていないか、と。



ここのところ毎日、



この間の高校生が店の回りを彷徨いているのだ、と。



「まさか、仕返しでもするつもりなのかしら?」



店長と警察に相談しようか、と言う話も出ているらしいけど、



特に何か嫌がらせをされてる訳でもないので、しばらく様子をみることにしたらしい。



「何だか、迷惑かけてしまってごめんなさい。」


「ううん。店は今のところ何かあったわけじゃないけど、島崎くんが何かされやしないか、って、心配で…」



と、話しているさなか、



彼女が僕を肘でつついた。



「ほら、噂をすれば…」



店の外を見ると、



こちらをチラチラ見ながら中に入ってくる男の子が。



あれ?あの子…確か…?



僕は、その子の顔にスゴく見覚えがあった。



と、言うのも、



彼から吸いかけのタバコを取り上げたにも関わらず、



彼の仲間に殴られそうになったところを助けられたからだ。



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