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ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜

第15章 訪れる危機



慎之介side


圭「…違いない。」


「だろ?」



…そうだよ。お前に付き合って野球を辞めたなんてウソに決まってんだろ?



俺の好きな女が甲子園に行きたい、って、



自分の知り合いが甲子園で活躍する姿を見に行きたいんだ、って言うから必死こいてやってただけなんだし。



それが圭太に捨てられ、日本から居なくなっちまって、野球を続けていく大義名分がなくなった。



だから辞めた。



辞めて、凛々子をあっさり捨てたお前がどこに行き着くのか確かめたくて側にいた。



そしたら、その相手は意外にも男だった。



あの日、遅い時間に自転車を急ぎ直してくれ、と連絡をもらった時はもしかして、もう新しい女に乗り替えたかって思ったけどまさか、男だったなんて…



しかも、何気に触れてしまったあの人の手。



白くて細くて、まるで…



まるで、昔、よく手を繋いでいたアイツの手みたいに柔らかくて…





圭「…のすけ。聞いてっか?」


「あ?ああ、ごめん。何だっけ?」


圭「だから、京四郎に聞いてみて欲しいんだよ?学校で千陽さんに付き纏ってるヤツがいるかどうか、って?」


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