
ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第15章 訪れる危機
凛々子のことだって、うまく巻くことも出来た。
それを敢えてしなかった。
お前らなんて、壊れちまえばいい、って、
ダメになっちまえば、傷心の千陽さんが、もしかしたら俺んとこに来てくれるかも、って、心のどっかで思ってたから。
そうでなくとも、圭太の性癖を考えたら放っといても壊れたかも、って、考えだけど、もう四年めだ。
圭「俺が大学出たら、一緒に住もう、と、思って?」
「そっか…」
もうそんなこと考えてんのか?
圭「俺の目が届かないとこで危険な目に合うかも、って考えただけで怖いからさ?」
「だから、って、職場を監視するなんざ、束縛しすぎだろ?」
それよか、凛々子に付き纏われてるテメェの心配しろよ?
俺のことだってそうだろが?
ことあるごとにサイン出してんだから、少しは危機感持てって?
圭「束縛したいんだよ、俺は?」
「げ!ウゼェ。」
束縛されたくないヤツがそれを言うなんて笑わせる。
千陽さんもこんなヤツのどこがよくて一緒にいるんだろ?
まあ、俺が知らなくても千陽さんが知ってる一面もあるんだろうから知んねぇけど?
圭「今度の休みに、二人で部屋見に行こう、と思って?」
