
ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第17章 甘くて苦い媚薬
壁に背中を預け後ろを見遣る彼女につい釣られるが、惜し気もなく晒け出された色白の肢体に素早く目を逸らした。
雅「これは遊びなの。」
相変わらず、手の中のローターを弄ぶ。
雅「だから相手の子たちもそれを分かってるからスリルを味わってるの。」
「遊び、って…?不純すぎない?もっと他のこと考えられないの?」
雅「真面目ね?でも、そんな人に限ってハマるのよ。千陽さんにも恋人以外の人に抱かれたいとか、って願望あるんじゃないの?」
「加納さん、もういい加減に…」
雅「ごめん。もう私行かなくちゃ?」
後ろに横たわる女子生徒を気にしながら、加納雅が歩き出す。
「は?行く、ってどこに?」
雅「バイト。あの子、お願いします。」
「お、お願いします、って!?」
雅「早く起こして服着せないと疑われるよ?」
じゃ、と、何食わぬ顔で僕に背を向けスタスタと歩き出す。
でも、不意に足を止め振り返った。
雅「ねぇ、千陽さん、って人物とか描くの?」
「え?それはまあ…一応…」
雅「じゃあ…私を描いて?って言ったら描いてくれる?」
