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ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜

第18章 Pure White



慎「で、コイツどーする、って?」



厚かましくも俺の千陽さんに絆創膏を貼らせながら慎之介が俺に聞いてきた。



「お前んとこでしばらく預かって欲しいんだ。」


慎「は?俺んちで?何で?」



ベルを抱こうとして、慎之介は手に新たな引っ掻き傷を作った。



慎「…スゲー、嫌われてっけど?」


「…猫でもお前が年増好きの変態だ、って分かるんだろうな?」


慎「あのなあ…俺じゃなかったら誰が日本中の、いや、地球上の熟女を愛するんだって!?」



別にお前じゃなくても他にいるだろが?



千「本当は手元に置きたいけど、今住んでる所じゃペット飼えなくて…。」



おいで?とばかりに千陽さんがベルに手を差し出すと、ベルは嬉しそうに千陽さんの腕の中に収まった。


千「出来るだけ慎之介くんの家に顔出すから。ね?」



千陽さんは差し出した自分の指先をぺろぺろ舐めるベルに目を細めた。



「俺んとこはお袋が猫アレルギーだし。頼むよ?」


慎「そういうことなら仕方ない。不肖・大木慎之介にお任せを!」



慎之介は無駄に逞しい胸板を叩いてみせた。



千「ふふっ。ベル、良かったね?大好きな慎之介くんの側にいられるようになって?」



と、性懲りもなく千陽さんの腕の中のベルにちょっかいを出そうとしては引っ掻かれる慎之介。



…大丈夫かな?



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