
ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第20章 美少女の秘密
雅「そう言えば、そんな失礼なこと言ってたわね?」
ふふっ、と笑ったか、と思えばその顔からは笑顔が消え、唇からはため息が漏れた。
雅「気を悪くしたならごめんね?。千陽さんといると落ち着く、って言うか、何だか…そう…共感してもらえる?みたいな気がしたから…だから、自然にキスとか出来たのかも?」
「やっぱり…」
それは僕も漠然と感じていた。
雅「迷惑だったでしょ?」
「うん。」
雅「はっきり言うね?」
「だって学校で教え子が教師にキスなんかしてくる?」
向かい合った僕たちの足元には、互いの手の中にあったものが零れ落ちていた。
雅「そんなこと…別にいいじゃない?」
音もなく重なる僕たちの唇。
初めは不意打ちみたいに食らっていたキスも、
今となっては挨拶みたいになっていた。
雅「やっぱり怒んないんだね?」
僕の首にしがみつき笑う。
「いつもいきなりしてくるのに怒れる?」
雅「だって…してほしそうだったから。」
彼女の言葉に苦笑しながらも今度は僕が彼女の顎を捕らえた。
雅「違うの?」
「そんな時もあったけど、殆どは無理矢理だよ?」
雅「そうだったの?」
「そうだったの、って…」
そのまま持ち上げた彼女の顎を引き寄せ唇を重ねた。
