
ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第22章 薔薇と百合の一夜 ②
「君は……どう…なの?」
雅「え……?」
「好きな人がいるなら、その人を抱きたい、とか、抱かれたいとか思わないの?」
僕の背後から正面に回り、蹲ったままの僕の目の前で彼女がしゃがみこむ。
雅「思ってる。」
抑揚なく答える深い鳶色の瞳。
雅「いつもいつも夢の中であの人とセックスしてるわ。」
でも、と、ため息を吐き立ち上がる。
雅「あの人、私に興味ないから。」
立ち上がり背を向けた彼女の手を掴む。
「だから僕を利用しようとしたの?」
驚き振り向いた瞳が僕を見下ろす。
「彼女が先生だから。自分が生徒だから。だから僕に抱かれようとしたの?」
見下ろす瞳に怒気が籠り、手を払われる。
雅「…酷い。」
そして再び目の前にしゃがみ、僕の目を見つめる。
雅「千陽さん、私、言ったよね?千陽さんなら私のこと…ううん、私たちのこと理解できる、って?」
「…うん。言ったよ?だから…」
雅「あっ…!」
僕はしゃがんだ彼女の腕を引き寄せその体を腕の中に納めた。
「だから今度は僕が君をイカせてあげる。」
