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ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜

第22章 薔薇と百合の一夜 ②



雅「あ…あの…」



腕の中の彼女の瞳が不安げに揺れる。



「そこに寝て?」



目で後ろのベッドを指し示す。



戸惑いながらも、抱き寄せていていた腕をほどいてやると、彼女は素直にベッドの上に横たわった。



僕は未だ痺れるような快感を引き摺る体を鞭打つようにベッドに上がり、横たわる彼女の体の上に跨がった。



「ふふっ。素直、だね?」



ご褒美だ、と言わんばかりに、形のいい唇にキスを落とす。



雅「千陽さ……」


「怖がらなくてもいい。痛くしないから。」



怯えた目で見上げる彼女の頬にそっと手を添え囁いた。



雅「でも…挿入れるん…でしょ?」


「君がそうして欲しいなら考えるけど?」



バスローブの裾から手を忍ばせ、細い太ももをするりと撫でた。



雅「あ……」



咄嗟に、驚き、身を捩る彼女の足を押さえ付ける。



「逃がさないよ?」


雅「に、逃げるなんて…。」



尚も肌理を確かめるように動く僕の手に、彼女の頬が色を帯びてゆく。



そしてー



雅「ゃ……ぁっ…ん」



ある場所に僕の指先が掠めたとき、



思わず仰け反った彼女の唇から今まで聞くことがなかった甘ったるい声が漏れた。



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