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ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜

第1章 天使…時々、小悪魔?



その部屋の前で、いつになく緊張していることに気付き、



俺は目を閉じて2度ほど深呼吸をしてから、髪や服装を整えた。



そして、再びふーっ、と息を吐くと、



ベルに指を伸ばした。



その時、中からパタパタと足音がし、



ドアが勢いよく開いた。


千「こらっ!!遅いぞ、直江圭太!!」



と、明るい髪色の華奢な青年が笑顔で出迎えてくれた。



「び、びっくりした…。」


千「もう、あとちょっと遅かったら日付が変わってたよ。」



早く入って?と急かすように中に引き入れられる。



しばらくして、あれ?という顔をすると、



周囲を嗅ぎ回ったあと、彼は俺の後ろを覗き込んだ。



千「それ、何?」


「あ、ああ、これ?」



背中に隠したものを見せようとして、



ふと、思い付く。



「忘れるところだった。」


千「何を…?」



割と華奢な彼の体を抱き寄せ、



奪うような口づけを与える。



「誕生日、おめでと。」

千「あ、ありがとう、圭太。」



微笑む彼を抱きしめた。



「はい、プレゼント。」


千「スゴい…。」



彼は、目をキラキラ輝かせながら、鼻を押し付けるみたいにして花の香りを楽しんでいた。



千「うん。いい香り。嬉しいよ。ありがとう。」


「良かった。」


千「あっ!?お腹空いてるよね?」


「うん。めちゃくちゃ空いてる。」



と、華奢な彼の体を抱き上げた。



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