
ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第23章 月夜に霞む
俺の体の上から降りると、千陽さんは左右に広げた俺の両足の間に座り込んだ。
「あ…あの…千陽さん?」
千「楽にしてて?すぐに気持ちよくなるから。」
色っぽく笑いながら、掌の上に垂らしたローションを擦り合わせた。
そして、両膝を立て、俺の足の付け根の奥を覗き込むように体を屈めた。
俺の後孔にかかる生暖かい息。
俺のナカを、あの彫刻のような綺麗な指先が掻き回すのか、と思うとぞくぞくした。
千「あ…ちょっと待って?」
ひょこっと穴から顔を出したウサギのように、勢いよくベッドから降り、キッチンへと走ってゆく。
な…何を思い付いたんだ?
戻ってきた彼が手にしていたものを見て合点がいった。
それにしても…
千「ハチミツ。」
「・・・・。」
笑顔の彼が手にしていたものを見て愕然とする。
…俺を食う気?
でも、これが意外にも…
「んっ……」
千「思った通り。いい感じ。」
いい感じ、
…も何も、肌に付けたときに感じるヒンヤリ感が全くなくて逆に…
千「何だか美味しそう。」
「・・・・」
前言撤回…(汗)
俺、マジで食われそう…。
