ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第23章 月夜に霞む
どちらからともなく合わせられた唇。
初めは軽く触れただけで離れ、二度三度とまた重なる。
その度に漏れる吐息に、否応なく高められる欲望。
三度目のキスの後、俺は彼の体をこちらに向け、そのまま床の上に組み敷いた。
千「あ……」
あとは感情の赴くままに、彼の両膝を抱えあげ、はち切れんばかりに膨れ上がった俺のモノを入口に宛がい、ゆっくり、押し広げるようにして彼のナカに挿っていった。
千「っ……うっん…」
目の前の綺麗な顔が歪む。
彼は顔を覆い隠すのも忘れ、俺にしがみつきながら痛みが快楽に変わる瞬間を待つ。
やっぱりキツいな……
それでも俺は彼の最奥めがけて進んでいく。
やがて、俺の根元が彼の双丘の柔らかな肌に触れ、
生暖かくて甘い吐息が首筋にかかって、か細い声で俺の名を呼んだ。
そしてまた、彼のナカにある俺のモノが馴染むまでの間、互いの唇の感触を味わう。
今度は、舌を唇の間から割り込ませ、咥内の粘膜をねっとりと舐め回し、舌を絡ませ合いながら。
「ぅっん…ふ…」
唇を離し、その唇を繋ぐ銀色の細い糸を目で辿ってゆくと、
ゆっくりと、赤く濡れた唇が開いて言葉を紡ぎだす。
「動いて?」と。