ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第23章 月夜に霞む
千「はっ……んっ……あっ…あ…あ…」
俺の背中に両腕が絡み付き、
俺が腰を動かす度に、その唇から漏れた甘い吐息が耳元で渦を巻く。
千「はっ……んっ…も…と…もっと…っ…」
もっと奥までなのか、もっと激しくなのかは分からないけど、
段々、その綺麗な顔が苦悶に満ちてゆく。
千「ゃ…あっ…あ…激し…っ…」
カクカクと小さな頭が上下に揺れだし、背中に回されていた指が離れ、バスルームの床を掻いた。
綺麗な指に傷がついてしまうと思い、咄嗟に彼の体を抱えた。
この人に恋した時から今までに、幾度となく心も身体も傷つけてきた張本人のクセに、だ。
千「圭太…」
うっすらと開いた目。
熱をたっぷり含んだ目で見ながら俺の頬に手を添えた。
千「も…イッていい?」
「ダメ…」
ハアハアと、肩で息をする彼の体を持ち上げ俺の腿の上に跨がらせた。
「…俺と一緒でなきゃ。」
千「あっ……んっ!」
突然下から突き上げられた衝撃で俺に抱きついてきた彼を受け止める。
千「ぁ……やっ…ダメ…イク……イッちゃ…うっ…」
「千陽さ…」
容赦無い締め付けに俺は…
俺と彼は程なくして果てた。