ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第24章 殉愛
しばらく無視してると、圭太は身繕いも一段落し、シーツの上で優雅に寛ぐベルにちょっかいを出し、引っ掻かれた、と大騒ぎをしていた。
が、そのうち、トイレに行ってくる、と、同じく真っ裸のままベッドから這い出した。
「…初めっから自分でヌいてくればいいのに。」
ねぇ?と、ベッドで丸くなっていたベルの頭を撫でた。
「お風呂入ってくるからしばらく圭太の相手、よろしくね?」
襲われちゃダメだよ?と言うと、ニャア、と一鳴きし、ゴロゴロ喉を鳴らすベルに笑いかけながら、着替えを手にバスルームに向かった。
髪を洗い、しばらく浴槽に浸かっていると、圭太が僕を呼んだ。
圭「電話、鳴ってる。」
大急ぎで体を拭き、濡れた髪から垂れる雫を気にしながら電話の相手にコールバックする。
『島崎先生、お休みのところ申し訳ありません。実は今から緊急職員会議をすることになって…すぐ来てもらえませんか?』
教頭先生からだった。
「職員会議…って…何かあったんですか?」
『ええ…今しがた警察から電話があって…その…うちの生徒が…』
「警察…?」
電話の向こうで、教頭先生が息を飲む。
『うちの生徒が問題を起こしたそうなんです。』