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ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜

第25章 分水嶺



圭太の胸に顔を埋めたまま、答えの続きを促す。



圭「仮に千陽さんが女だったとしてもこのままうまくいくとも限らないし……」



圭太は顔を隠したままの僕の体を離し、顔を覗き込んできた。



圭「そもそも出会ってなかったかもしれない。」


「圭太…」


圭「ま、逆でもいえるけど。でも…一つだけ言えるとしたら、そんなこと、全然関係ない、ってこと。」


僕の顔を覗き込む、その目を見つめる。



圭「そうであってもなくても俺はあなたを好きになってた。」



逆に真っ直ぐに見つめ返されて目が逸らせなくなってしまう。



圭「だからと言って、俺が男好きだった、ってことじゃないけど?」


「……ホントに?」


圭「当たり前だろ?そうじゃなかったら俺、ただのアブないヤツじゃん?」



込み上げる笑いを堪えようと目を逸らすと、顔の向きを無理やり正される。



圭「俺、真面目に答えてるけど?」


「ご……ごめん。」



困ったように笑ったあと、再び腕の中に閉じ込められる。



圭「そんなどうでもいいことで悩む時間があるならさ、ヤってる時に、俺がどうしたら喜ぶか考えてよ?」


「ば…ばかっ!!またそんなヤらしいこと…」


圭「だって…男だしね?千陽さんもそう思うでしょ?」


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