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ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜

第26章 対峙



運ばれてきた料理はどれも美味しく見た目も豪華で、



それなりの服装でない自分たちに違和感さえ感じた。



凛「お口に合いませんでした?」


「あ…いえ…。」



僕を横目でチラと見ながらワイングラスに口を付ける。



凛「圭太にこの手のレストランによく連れてきてもらってるものだと思ってたからこちらにしたんだけど?」



グラスから離れた唇が上向きに弧を描く。



「そんなこと…」


凛「……ないの?あ、それもそっかあ。男同士じゃあ…ねぇ?」



彼女の、わざとらしい反応に辟易する。



二人一緒なら何処でご飯食べようが関係ないだろ?……なんて、意地でも口に出したりなんかしない。



ムキになれば彼女の思う壺だ。



「で?」


凛「え?」


「用件はなに?」


凛「ふふっ。やっぱ、元カレの綺麗な今カノさんとご飯が食べたい、って理由は通用しなかったわね?」


「圭太とのこと……だよね?」


凛「ふふっ。近いけどちょっと違う。」



まさか、僕に興味が湧いたとでも言うつもりか。



凛「実はね…見ちゃった、と言うか知っちゃったのよね?」


「何……を?」



気のせいだろうか。



彼女の様子が勝ち誇ったように見える。



そんな彼女が、徐にバッグからスマホを取り出し、僕の目の前に翳した。



凛「教師としてあるまじき姿を、ね?」



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