
ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第4章 君の背中には羽がある
圭太side
コンビニに顔を出さなくなってはや一週間。
あの人の顔を見なくなってから一週間。
学校からの帰り、顔を見るのが楽しみで、あんなに足繁くコンビニに通っていたのに、
顔すら出さなくなって一週間。
たった一週間なのに、
俺にとっては一ヶ月ぐらいたってしまった、ってぐらいの感覚だ。
はあっ、と大きく息を吐きながら机に突っ伏す。
慎「そんなに会いたいんなら会いに行けばいいだろ?」
って、お前さ、簡単に言うけどさ?
今は学校のテスト期間中。
赤点なんぞ取ろうもんなら、アイツらに何言われるか…
だから、験担ぎの意味合いもあって、敢えて会うのを避けていた。
それにしてもあのメガネのオタク野郎、あの人にまた変なことしてねぇだろうな?
今んとこ、それらしき輩が事件を起こしたとかって話は聞いてないから、
たぶんあの人は無事なんだろう。
だろうけど…
ああっ!!チクショウ!!
声にならない苛立ちが爆発しそうで俺は、
机に突っ伏したまま、振り上げた拳をそのまま机に叩き落とした。
慎「うおっ!?ビックリした…脅かすなよ?」
隣でウトウトしながら俺の独り言に付き合ってくれていた慎之介が飛び起きた。
