ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第6章 そして、惹かれていく。
「でも、あの、学校、指折りの進学校、って、聞いてるけど?」
慎「あの学校、普通科と理数科があって、俺、その理数科の方なんです。元々勉強なんてキライなんだけど理数系は得意だったし。アイツは普通科。」
「そうなの?」
慎「何でお前がここにいんだよ!?って、アイツ、あんまいい顔しなかったけどね?」
隣を歩いていた慎之介くんの足が止まる。
慎「他に何かあります?直江圭太に関して知りたいこととか?」
知りたいこと…?
「あの…圭太くん、って…その……アッチの人…なのかな…なんて?」
慎「は?」
「あっ!!やっぱりいい…です。」
慎「男が好きかどうか、ってこと?」
「う……」
そんなはっきり言わなくても…
…まあ、そういう意味だけど…。
慎「うーん、好き…かもしんないなあ。」
えっ!?や、やっぱり?
慎「…アンタのことは。」
「ええっ!!」
意味ありげにニヤニヤ笑う慎之介くんと目が合ってしまう。
慎「ソッチの気があんのかどうかは分かんないけど、アイツは多分、アンタのことが好きだと思う。」
「あの…」
慎「心配しなくても、まんまの意味だから。」