ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第7章 恋という名の下心
に、比べてこの人は…
「あの…うまそうに食うんすね?」
千「ん?」
口の回りにクリームをべっとりつけたまま、大きく目を見開き上目で見てくる。
やべ…可愛いし…
それに……ちょっとエロい。
「つ…ついてます。」
まともに顔が見れなくて、顔を逸らしながらここだ、と、ついてる箇所を指さした。
千「あ、ホントだ。」
確かめるように、彼は口回りを手で触りまくると、慌ててティッシュを取り出し指先と口回りを拭った。
こんな時、今まで付き合ってきた女たちなら、どこに?って感じで顔を突き出してくるけど、
…普通、自分で拭くよな?
…同じなわけないよな?女じゃないんだし。
千「ん?まだ、ついてる?」
「えっ?」
千「さっきからずっと僕の顔見てるから。」
クセなのか、彼の上目で見つめてくる感じに、心臓が一段と忙しげに打ち付ける。
「あ…いや…別に」
熱を持ったように赤くなる顔を隠すみたいにそっぽを向いた。
千「はー、おいしかった♪」
良かった…。
俺の様子に、特に不信感は持ってなさそう…。
満足そうに伸びをする彼に、胸を撫で下ろす。