ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第7章 恋という名の下心
千「今日は付き合ってくれてありがと。一人だと中々入りづらくて…」
頬杖を付きながら笑う。
そんな笑顔さえまともに見れないぐらい、
さっきの、口の回りにクリームを付けた顔がちらつく。
そうして俺は、あらぬ妄想をしていた。
あの人が、あの綺麗な五指で俺のモノを手に取って、
あどけない笑顔で俺を見上げながら、ゆっくりと口の中に収め前後に扱く姿を、
時おり、尖端から根元まで、丁寧に舌を這わせる姿を、
そして、大量に吐き出した俺の熱を、嫌がることなくその口内に受け止めてくれる姿を、
その俺の熱を余すことなく飲み込んで、満足そうに微笑む姿を。
ああ、アノ時の顔って、多分こんな感じ、って思ったら、俺のモノが窮屈そうにズボンを押し上げていた。
はー、最低だ……俺。
好きなものを食べ、満足そうにしている彼の向かいで、不純な妄想をし股間を固くしている俺。
二人きりだと間違いなく俺はこの人を…
千「ど、どうしたの?いきなり?」
股間を隠すためとはいえ、不自然なカバンの持ち方を気に止める様子もなく、
彼は突然立ち上がった俺を訝った。
言葉少なに礼を言うと、
俺は彼から顔を逸らし逃げるようにこの場を後にした。