ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第7章 恋という名の下心
来る日も来る日も、
今日こそは話さなきゃ、と思っているのに肝心の本人が中々姿を見せなくて、
心ここにあらずな仕事っぷりを見て、先輩に誰かを待ってるの?なんて言われて、どうリアクションしたらいいのか分からず言葉を濁したりしていたら、
やってきた。
しかも…
慎「何だよ何だよ、水くせぇな?ここにいるんならいる、ってさっさと教えてくれりゃあいいのに?」
し、慎之介くん?
圭「バカ、お前、声、でけぇから!」
と、ずかずかと無遠慮に入ってきて、ちわっす、と堂々と僕に挨拶した。
圭「仕事の邪魔すんなよ、お前は?」
圭太くんはにこやかに挨拶してきた慎之介くんを僕から遠ざけた。
「何々?島崎くん、もしかしてファン増えた?」
「違います!!あの子は彼の友達です。」
何事?としゃしゃり出てきた先輩に、圭太くんの拘束を振りほどいた慎之介くんが前に進み出て握手を求めた。
慎「どうも初めまして。俺、大木慎之介っていいます。」
「初めまして〜♪あなた、モデルみたいに素敵ね?」
慎「いやあ、よく言われるんすよね?良かったら今度お茶しません?」
先輩を口説き始めた慎之介くんを、圭太くんが慌てて引き剥がした。