ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第7章 恋という名の下心
慎「あんだよ!?いいじゃねぇか?」
圭「よくねぇよ!?仕事の邪魔だろが?」
いつの間にか後ろに立っていた店長が咳払いをする。
僕は店長に断ってから圭太くんを店外へ連れ出した。
圭「ごめん、慎之介のやつがどうしても、って付いてきちゃって…」
「後で店長に僕から謝っておくから。」
と、店内がワサワサしているのをいいことに、死角になる場所に圭太くんを連れて行った。
「ね…唐突で悪いんだけど今度の日曜、空いてる?ちょっと…話したいことがあって…」
圭「え?…あ…話…って?」
「うん…ちょっと…」
どんな顔をしたらいいのか分からない、といった複雑そうな表情を浮かべた。
ごめんね?君にとってはイヤな話をするんだけど…。
「お昼でも食べながらどう?無理にとは言わないけど?」
圭「全然!大丈夫です!」
途端に明るくなる顔に、少し後ろめたくなる。
「そう…。じゃ、時間と場所は後で連絡するから…」
ここで、至極基本的で肝心なことに気づく。
連絡先、知らない…。
すると、圭太くんが徐にカバンからノートを取りだしペンを走らせたのち、一枚ちぎって僕に手渡した。