ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第7章 恋という名の下心
圭「はい。これ、俺の番号。」
「あ…りがと。」
圭「じゃ、俺、アイツ、連れて帰るんで。」
と、店内へ戻ろうとしてふと足が止まる。
圭「あの…名前…」
「あっ…島崎です。島崎千陽(ちはる)。」
圭「千陽…さん。」
「あっ!!で、でも、あんまり下の名前で呼ばないで?僕、こんな外見だからたまに女の子に間違えられるから。」
圭「りょーかい!!『ちはるさん』!」
「あっ!!もー、だから、その呼び方は…」
満面の笑みで僕に敬礼をすると、
走って店内に戻っていった。
でも…
自分は同性に興味がないからお付き合いするつもりはありません、なんて、
わざわざいう必要なんてあるかな?
流されないように、自分さえしっかりしてればいいんじゃないか、って思うけど。
そう、自分さえしっかりしてたらって…。
日曜日。僕らは駅で待ち合わせていた。
そこからどこでご飯を食べるとか、何を食べるかなんて、特に決めていなくて
彼の好みを聞いてから決めよう、って考えてた。
「ラーメン?」
圭「それに、ギョウザとか唐揚げとか付けたらご馳走じゃん?」
それでいいよ?と、圭太くんは笑った。