ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第8章 もっと、君を知りたくて。
それからというもの、
圭太くんがバイト先に顔を出してくれることが嬉しくて、
学校よりバイトに行く方が楽しくて仕方なかった。
慎「ちわっす!毎度お馴染み、慎之介くんです!!…いてっ!」
圭「声がでけぇ、って、何度言ったら分かんだよ!?」
何よりも、いつも一緒にやって来る彼の親友の慎之介くんとの掛け合いが、
お笑い番組を見ているみたいで楽しかった。
慎「ったく、うちのくそ親父みたいにぱかすか殴りやがって…バカになったらどうすんだ?」
と、慎之介くんが抗議すれば、
圭「手遅れだって……」
と、ほぼお約束のような掛け合いだけど。
「あら、慎之介くんじゃない?」
慎「その声は…ミチ子さんじゃないっすか?」
「相変わらずイケメンね?」
慎「ミチ子さんこそ。今日もヤバいぐらいエロいっすね?」
と、仕事中にも拘らず、先輩の手を握りしめ口説き始める。
そして極めつけは店長の咳払いで二人のネタ(?)は終了。
また来ます、と、
手を振りながら帰っていった。
「あの子、相当島崎くんのこと好きね?」
「あの子、って?」
「もー、惚けちゃって?彼、あなたに会いに来てるんでしょ?」
「へ、変なこと言わないでください!!」